「水素吸入は効果がない」と言われがちな水素ですが、2024年4月現在、水素吸入は次のような効果があると研究報告されています!
報告事例 | 報告内容 |
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COVID-19関連の肺炎治療における水素吸入療法 | 中国国家衛生健康委員会が推奨。抗腫瘍、抗炎症、抗酸化作用に効果あり。 |
水素の多様な生物学的および治療効果 | 無味無臭のガスで、虚血再灌流を含む多病に対する効果が実証されている。 |
水素の潜在的な治療効果の確認 | ヒトおよび動物の疾患モデルで確認されたが、効果にはさらなる検証が必要。 |
水素吸入療法の安全性と臨床効果 | 多くの臨床報告で安全かつ効果的。ガスの流量は研究によって異なる。 |
低濃度水素吸入による神経機能と生存成績の改善 | 心停止後のネズミモデルで神経機能と生存成績の改善に有望。安全かつ実行可能。 |
心停止後の水素ガス吸入による神経学的生存率の向上 | 日本の緊急医療施設での研究。心停止から復活後の昏睡患者において生存率向上。 |
心血管側面に焦点を当てた水素分子の潜在的利益 | 体外、体内、臨床調査からの証拠が要約され、心血管側面に焦点を当てて議論されている。 |
脳障害治療における水素療法の治療可能性 | アルツハイマー病など脳障害に対して大きな治療可能性を示している。 |
水素ガスには、抗炎症作用や抗酸化作用など、体に良いさまざまな効果があることが報告されています。例えば、COVID-19に関連した肺炎の治療への効果が、中国の公的機関から推奨されています。また、心臓発作や脳梗塞などの様々な病気の動物実験で、治療効果が実証されています。
実際の臨床の場面でも、心停止後の脳への障害を軽減させたり、脳卒中後の神経機能を改善させたりする効果が示されつつあります。安全性についても、臨床実験から大変高いと考えられます。
つまり、水素ガスを吸入する治療は、抗炎症や抗酸化を通じて病気を改善する効果が期待でき、心臓病や脳卒中をはじめ、感染症など、幅広い病気への応用が可能です。
水素ガス吸引は安全で効果の高い新しい治療法として、今後様々な病気での活用が期待されているということ!
今回は、そんな水素吸引の効果について詳しく解説します。
【関連記事】水素治療のエビデンスと医学的根拠について 【関連記事】水素吸引は危険!? その誤解を解説! 【関連記事】水素吸引の効果について 美容・健康・ダイエットなどに効果を発揮する水素驚異のメカニズム
Table of Contents
用途 | 内容 |
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心筋梗塞治療 | 水素ガスを吸入することで、心筋梗塞の患者の慢性期の心臓機能に良い影響を与え、心不全を抑制する可能性が示されている |
抗腫瘍、抗炎症、抗酸化作用 | 水素は活性酸素を選択的に除去する作用があり、がんや生活習慣病、神経に関する病気など、幅広い疾患の治療に役立つ可能性がある |
未病ケアから重篤ながん治療 | 水素ガスは体内で活性酸素を除去する働きにより、未病ケアから重篤ながん治療まで幅広い効果が期待されている |
心停止後症候群の治療 | 水素ガスは心停止による脳の酸素不足のダメージを軽減し、心停止後の回復を促す効果が期待されている |
水素ガスの健康に対する効果が期待される理由は、その分子が持つ独特の生物学的特性にあります。
水素ガスは非常に小さい分子で、体内の細胞膜を容易に通過し、細胞内部で活性酸素と反応することができます。
特に、最も反応性が高く有害なヒドロキシラジカル(悪玉活性酸素)と選択的に結合し、これを無毒化する抗酸化作用が確認されています。
このプロセスによって、酸化ストレスによる細胞のダメージが減少し、結果として様々な疾患の予防や治療効果が期待できるのです。
臨床試験においては、心筋梗塞や脳梗塞などの虚血再灌流障害に対する水素ガスの効果が報告されています。
これは水素が損傷した組織における過剰な活性酸素の生成を抑制し、さらなる細胞死を防ぐことによると考えられます。また、水素ガス吸入が心停止後の神経学的損傷を軽減し、全体的な生存率を向上させる可能性を示している研究もあるようです。
水素ガスは、がん治療においても免疫応答を強化するといった報告があり、治療の補助手段としての潜在性を持っており、世界各国で研究が進められています。
もちろん、日常的な健康維持やエイジングケア・美容ケアへの効果も期待されており、免疫力の向上や疲労回復など、幅広い健康効果があるとして話題になっています。
カテゴリ | 内容 | 参考データ |
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免疫機能の抑制 | 2週間の水素吸入後、中年の参加者において、免疫細胞の割合が統計的に有意に減少。免疫機能の抑制を示唆。 | 免疫機能の抑制についての研究: High-flow hydrogen inhalation might suppresses the immune function of middle-aged participants: a self-controlled study |
長期間の安全性 | 2.4%水素ガスの吸入は副作用なし。但し長期吸入の安全性評価には更なる研究必要。 | 長期間の安全性に関する研究: Safety of Prolonged Inhalation of Hydrogen Gas in Air in Healthy Adults |
高濃度および長時間のプロトコル | 現時点では副作用なし。但し高濃度・長時間吸入については将来的な分析が必要。 | 高濃度および長時間の使用に関する研究: Molecular Hydrogen: an Emerging Therapeutic Medical Gas for Neurodegenerative and Other Diseases |
副作用の発生率 | 水素吸入群では対照群比、低血糖・嘔吐・便秘・めまいなどの副作用が有意に低い発生率。
※対照実験の半分以下。副作用のリスクが低いことを示唆 |
副作用の発生率に関する研究: Effectiveness and safety of hydrogen inhalation as an adjuvant treatment for COVID-19 |
水素ガスを吸入する治療法は、ほとんど副作用がないとされています。ただし、注意が必要な点もいくつか報告されています。
免疫力が少し下がる可能性があることです。水素ガスを2週間吸入した研究では、ウイルスを攻撃する免疫細胞の働きが低下したとの報告があります。
ただ、ほとんどの研究で「安全性が高く、副作用がほぼない」ということが示唆されており、現状では水素吸引は厚生労働省の先進医療に含まれていることからも分かるように、安心して利用して良いと言えるでしょう。
もちろん、長期間の利用に関してはさらなる研究が必要ですが、これはどの分野の研究でも同じことです。
要するに、水素はほとんどの研究で安全だと言われていますが、免疫力の低下や副作用の可能性がゼロではないことは念頭に置いておきましょう。
慶應義塾大学と東京歯科大学の研究チームは、水素吸入治療に関して日本の15の救急病院で研究を行いました。
その結果、水素ガスを吸入することで、心停止から意識を取り戻した人の脳への障害が少なくなり、生存率が高くなる可能性があることが分かりました。
この研究はさまざまな比較試験を慶應義塾大学の水素ガス医療研究センターが行い、研究結果は2023年3月に、医学雑誌「eClinicalMedicine」に発表されました。
上記の研究から水素ガス吸入は、心停止後の脳へのダメージを軽減し、命を救う効果が期待できる新しい治療法になりうることが示唆されました。
また上記のような研究でも、水素の効果が報告されています。
これらの効果を簡単に説明すると、次のようなものだとお思いください。
出典:先進医療技術名: 水素ガス吸入療法2023年6月22日
また、これらの研究は2024年現在も進められており、薬事承認申請までの上記のようなロードマップも公開されています。
水素ガスを吸入する治療は、多くの病気で良い結果が得られていると報告されています。しかし、効果が期待できない病気についてのデータはあまりありません。
水素ガスには抗炎症作用や抗酸化作用があることから、身体の免疫力やエネルギー代謝を良くする効果があると考えられています。
分類 | 内容 |
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抗酸化作用 | 体の中の有害な酸化を抑えて、細胞を守る |
抗炎症作用 | 炎症を抑えて、炎症性疾患の症状を改善 |
エネルギー代謝 | 細胞のエネルギー産生をよくして、細胞の健康を支える |
細胞死の制御 | 老化した細胞の除去など、細胞死(アポトーシス)を調整する ※新陳代謝の活性化効果が期待できること |
免疫力の向上 | 体の免疫システムを活性化させ、病気から身体を守る |
言ってしまえば、すべての病気や身体の悩みの原因は「老化(身体の酸化)」「外傷」「免疫力の低下」「新陳代謝の低下」などが原因で引き起こされるため、水素はそれらのすべての悩みに副作用がほぼなくオールマイティに効果を発揮することが出来るということです。
これらの病気や身体の悩みは「長期間のトラブルが蓄積されて起きた症状」です。
精神的な疾患以外は、長期間水素を吸入することで改善が見込めますが、それだけでは良くなりません。
端的に言えば《水素吸引をしながら、生活習慣やストレス原因を取り除く》ことが出来なければ、いくら水素吸引を行っていても思ったほどの効果が出ないことがあります。
例えるなら「ピザを食べながら、痩せたいと言っている人」みたいなもので、大切なのは「水素+生活習慣の改善」を行うことですよ!
水素吸入療法は西洋医学的アプローチに基づいており、東洋医学的視点から見た根本的な改善が難しい側面があります。
私たちの身体は「薬やサプリを飲めば、全てが良くなる」という単純なものではありません。
身体の中にある栄養やエネルギー(気)、またむくみの原因になる湿気などのバランスが崩れた時に、さまざまな病気が「症状」として表に出てしまいます。
つまり、根本改善を考える場合は水素吸引による抗酸化作用や抗炎症作用などのオールマイティなケアを行いながら、東洋医学的な食事療法や鍼灸による自律神経の調整など、水素吸入療法とは異なるアプローチで身体のバランスを整えることが重要なのです。
もちろん、必要に応じてサプリや薬、時には骨格自体にアプローチする整体やマッサージなども組み合わせるのがオススメです。
噂やウソ | 具体例 |
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誇大広告 | 「水素はあらゆる病気や健康問題が解決します!」 |
具体性のない嘘 | 「水素を1回吸うだけで、体の不調が全て改善されます!」 |
根拠のない噂 | 「ガンや難病も水素で完治します!」 「水素は万病に効く特効薬です!」 |
副作用がないという誤解 | 「水素は完全に安全で、副作用は全くありません!」 「誰でも好きなだけ使えます!」 |
水素風呂や水素吸入は、健康や美容に様々な効果が期待できる方法として注目を集めていますが、誇大広告や個人の体験談に振り回されることなく、冷静に判断することが大切です。
多くの大学や研究機関が水素の健康効果を示唆する研究結果を発表しています。
しかし、これは水素がすべての病気を治す万能薬であることを意味するわけではありません。
特に、「一瞬で健康になれる」「病気を全て治せる」といった表現は、明らかに誇大広告であり、科学的根拠に乏しい主張です。
また、水素は副作用のリスクが低いとされていますが、「完全に安全で副作用がない」と断言することも適切ではありません。体質や健康状態によっては、好転反応と呼ばれる一時的な症状が現れることがあるからです。
特にインターネット上には水素の効果を謳う個人の体験談が数多く見られますが、これらは主観的な意見であり、科学的な根拠とは異なります。
体験談を参考にすることは構いませんが、それだけで水素の効果を判断するのは賢明ではありません。
水素風呂や水素吸入は、健康管理の選択肢の一つとして検討に値しますが、誇大広告や個人の体験談に振り回されることなく、科学的根拠に基づいた適切な活用を心がけることが大切だと言えるでしょう。
水素は、私たちの健康と美容をサポートする注目の物質です。
医療現場でも水素治療の効果が認められつつあり、様々な病気の予防や治療に役立つ可能性がある注目の物質です。
これまで述べたように水素は副作用のリスクが非常に低く、安全性の高い健康ケアアイテムとして注目されています。
だから日常的に水素風呂や水素吸入などで水素を取り入れることで、体内の酸化ストレスを軽減し、免疫力の向上や疲労回復など、様々な健康効果を実感できるでしょう。
参考資料①:厚生労働省発行 『先進医療 B 実施計画等評価表(番号 B066)』
参考資料②:医療ライター 谷垣吉彦著 『100歳まで健康に生きるための水素』
参考資料③:ニュートンライブラリー発行 『水素の美容・健康力』
参考資料④:一般社団法人「臨床水素治療研究会」代表理事/辻クリニック院長 辻直樹 著 『なぜ水素で細胞から若返るのか 抗酸化作用とアンチエイジング』
参考資料⑤:赤坂AAクリニック院長/医学博士 森 吉臣 著 『水素の力で創出する健康寿命100歳社会』
その他:『朝日新聞デジタル』など一部ネット記事を参考